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 夏樹にとっての父親は、とにかく厳しく、怖い存在であった。箸の持ち方が悪いと言って怒られ、母親への口の利き方が悪いと言っては叱られていた。礼儀とかマナーにはとかく厳しく、ことあるごとに口うるさく叱責されていた。
「俺が夏樹の家に言ったときは、普通の親父さんやったけどなあ、時々つまらんギャグを飛ばす、おもろい人と言う感じやったけどなあ」
「いや、べつに親父が嫌で家を出るわけやないで、あくまでも自立するためや」

 礼儀やマナーにうるさく厳しい父親ではあるが、人生訓のようなものも度々聞かされていた。
「太い筋が一本通っていれば、他人が何を言おうが、自分の進む道をまっすぐに進め。それが人間や、それが男や」
 これが夏樹の父親の口癖だった。
 何事も自分自身で決めたことは信念を持ち、それに向かって進むためには、他人がいろんなことを言って来ることもあるだろうが、ぶれることなく突き進むことが必要なのだ。高校入試、就職、そのことによって家を出て寮に入ること、将来的な話になるが、故郷を離れ遠くの地に暮らすことになっても、反対されたことはない。
「お前が、自分自身で考えて決めたことに対しては、何も反対する理由はない。信じる道を進めばええから、ただ、中途半端なことはするなよ」
 こう言っていつも送り出してくれた。

「自立と言うても、家からはわりと近い所に会社と寮があるから、休みの日はすぐに帰れるしな」
「それはあかんは、何のために親元を離れて自立するんや、あんまり意味がないのとちゃうか、せめて一ヶ月に一回ぐらいにしとかんとなあ」
「やっぱり。まあ、行ってみんと、どうなるか分からへんけどなあ」

 ザ・ビートルズ「1962~1966」のA面最後の曲「イエスタデイ」が終り、レコードプレーヤーの針が自動で戻っていった。







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2008.12.22 / Top↑
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