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 三月一日。各地の高校で卒業式が行われた。京都のこの時期としては珍しく大雪となった、夏樹の通う高校の校長先生はあいさつの中でこの大雪を見てこう言った、ような記憶がある。
「皆さんはこれから新たな道へ向かって行くのだけれど、今日の雪は君たちの行く先の困難を暗示しているのかも知れない。辛いことのほうが多いと思うが、がんばってください」
 この先の困難が、どんな困難なのか、今ならよくわかる。

 卒業式は午前中で終り、午後からは謝恩会となった。その当時、謝恩会と言ったか、言わないか、定かではない。
 頭脳明晰の生徒は少なく、ほとんどが就職することとなった夏樹たちのクラスメートは、いったん帰宅して学生服を脱ぎ、一張羅の私服に着替えて街に繰り出した。今の高校を卒業する若者よりも大人に憧れていたのだろうか、男はネクタイ姿の奴らが多かった。女子も学校では禁止されていた化粧を、いつの間に覚えたのか、それなりに大人っぽく変身してあらわれた。

 現在の謝恩会の主役は先生と親のようだが(いま住んでいる地域だけかな?)夏樹のクラスの謝恩会は先生と、生徒だけで宴会がはじまった。

「いやあ、色々なことが、事件があったけれど、全員の進路も決まり、とても楽しい三年間でした。みんな、ありがとう」
 三年間クラス替えもなく、三年間同じ担任の先生があいさつをした。
「乾杯」

 二年になるときに一人、三年になるときに一人、三月までのクラスに残った。事故と病だった。
 でもバレーボールの球技大会では三年連続優勝した。それなりにまとまっていたのだと思う。

「夏樹君、ありがとね、いっつもノートを写させてくれて、それと授業中の睡眠を快適にするために壁になってくれて、ほんとうにありがとう」
 泣きながら、時々言葉を詰まらせながら、三年の二学期の時に夏樹の後ろの席だった女子が大きく頭を下げて言った。(少し酔ったのかな、時効ですよね?)
 夏樹が居眠りしていると、『あんたがそうやって寝てたら、私が隠れへんやろ』って「おれの睡眠を邪魔しただろう」と心の中で言った



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2008.12.26 / Top↑
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