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 昨夜の謝恩会は最後まで笑いが絶えない会となったが、終わる頃には女子の全員が大泣き状態で終宴、お開きとなった。夏樹は帰りのバスの中で具合が悪くなり、途中でいったん下車してしまった。

 それでも翌日の朝七時ごろに京都駅からの東海道線下り普通列車に乗り、三人の旅がはじまった。赤川は行けなくなってしまった。
 飛沢と、石田は二人とも同じ大学に行くことが決まった。二人とも本当に行きたかった大学に通うことは叶わなかったようだけれど、春からは大学生となる。

 いつもは山陰線での出発が多いのだけれど、今回は初めて東海道線、山陽線と進路を真西に向かう旅となった。
「窓を背にしての横一列シートの電車という奴は、どうもこの今ひとつ好きになれへんなあ」

 夏樹にとっての鉄道の旅、旅行は四人掛けのボックス席の列車で出かけるものなのだ。小さい頃から父親の郷里への鈍行列車に乗っての移動が、彼にとっての旅の原点だからである。いまでも通勤電車や、都会近郊の私鉄電車、新幹線にはあまり興味はなく、新幹線に乗っての移動は、あくまでも移動であって、旅の概念はない。

 ところが寝台特急に乗ることになった時などは、乗る何日も前から心が落ち着かず、何も見えない車窓を見ては心が踊り、夜中に駅に止まり目が覚めてしまったときなどは、何処の駅なのか確認しないと、再び布団に入ることが出来ないでいる。
 ましてや、何処の駅か確認できずに駅を離れてしまうと、ますます目が冴えてしまう。そんな時は時刻表を開き、時計を見て、今の駅が何処だったのかを調べてからでないと、ゆっくりと寝られないのである。

「それに、窓の外はビルや工場の建物しか見えへん。俺もしばらくは通学の延長みたいで、おもろないなあ」
 飛沢も夏樹の影響が大きく出てきているようだ。



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2008.12.29 / Top↑
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